フォントの歴史

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フォント Index

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みなさんこんにちは!
Miuです。

今日は「フォントの歴史」について、みなさんに分かりやすくお届けします〜!
今やかわいいフォントに、カッコいいフォント、おしゃれなフォントなどなどたくさんの種類がありますが、そもそもフォントとは何者でどこからきたのか?これから楽しくご紹介いたします!

フォントとは何か?
―国語辞書的な定義―

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それではまずフォントとはそもそも何を指すのか?
国語辞典にその定義を求めてみましょう!

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コンピューターで使う文字のデザインのこと。活字の時代には、同じ書体で同じサイズの活字セットを指す言葉であったが、電算写植やDTPではひとつのフォントで拡大や縮小、変形ができるため、太字や斜体などのスタイルを含めてフォントと呼ぶようになった。

明朝体、ゴシック体、毛筆体、楷書体、ポップ体など、さまざまな種類がある。書体やタイプフェースとほぼ同じ意味で使われる。

現在のWindowsやMac OSでは、アウトラインフォントのTrueTypeフォントが標準で使用されている。拡大・縮小しても文字の形が崩れず、高品位に印刷できる。(出典 ASCII.jpデジタル用語辞典)

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なるほどですねー!
簡単に言うなら『文字のデザイン性』のことを“フォント”と呼ぶようです。
またその語源としては……
「【fonte】溶けたもの」、すなわち『鋳物』である。とされます。

フォントの語源は「鋳物(溶けたもの)」である意味
―活版印刷という大発明―

ここで「鋳物」と「フォント(文字)」の関係性にピンとくる方はとても博識ですね!
そう我らが人類の大発明「活版印刷」の登場によってフォントという概念が登場することになります。

私のひとくちメモ!

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「活版印刷」技術とは、本の1ページ分の文字をすべてスタンプにする技術。この発明により、これまで1冊1冊手作業で作成されていた本は、大量生産することが可能となる。すなわち様々な技術や知識、経験を文字に遺すだけではなく、安くかつ多くの人に伝えることが可能になった。すごい!

発明したのは神聖ローマ帝国出身のグーテンベルクさん!もちろんベストセラーはキリスト教の聖書です。これが後の宗教改革やルネサンスにも繋がる、人類大発展の起点となりました。

「書体」と「フォント」の違い
―デザインされた文字群と、印刷文字セット―

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「書体」というものは、何かしらの統一されたデザインの文字群です。例えば「可愛い女の子が描くような可愛い文字」を意匠としたもの……というのは、書体となります。和文書体では、明朝体・ゴシック体・楷書体などがあり、欧文書体にはローマン・イタリック・サンセリフなどが基本的な形となります。

「フォント」というものは、そもそも活版印刷に使う金属製の活字(スタンプ)のことで、1つの書体の文字サイズごとの「大文字・小文字」「ひらがな・カタカナ」「数字・記号」のセット(道具)となります。

例えば般若心境の本をつくるときの注文として、「筆で書くような筆記体の書体で、読みやすいように大きめのフォント」という言葉になるわけですね!もっと現在では、PC上の文章作成などでデザイン性ある文字の種別変更も「フォント」と表記されるので、あと10年もすれば「フォント」の意味がもっと網羅的になってくることでしょう。

カリグラフィとタイポグラフィ
―活字の文字デザイン時代―

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カリグラフィ(calligraphy)とは、文字をより良くより美しく見せる手法です!
美しく(calli)書く(graphein)という言葉の意味となります。

みなさんも映画や書籍のタイトルで見かけたことがあるかもしれませんね、つまりは「カッコよくデザインした文字(の書き方)」のことをカリグラフィと呼びます。
日本でいうところの「書道」に近しいものです。ただ文字情報を記すだけではなく、美的要素を加えていきます。

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タイポグラフィ(typography)は、手書きを意味するカリグラフィに対して、型式(type)で記述した(graphy)ものという意味です!
型式というのは、活版印刷の金属活字のことを指します。何せあらかじめ鋳物でつくられた決まった文字ですからね!

さて文字情報のいうものは、その前提として「人に読まれる」となります!
ということは「読み手にどのように受け取って欲しいのか?」という『演出』が重要になってきますね。
それがタイポグラフィなる「活版印刷における文字の見せ方」という概念です。

フォントの起源
―文字デザインの始祖「ローマンキャピタル」―

みんな大好き「ローマ」に文字デザインの萌芽を見ることができます!

古代ローマのトラヤヌス帝の記念柱に書かれたローマ字の書体「キャピタル・モニュメンタリス」を元にデザインされたのが『ローマンキャピタル(ローマン体)』という文字です。紀元前2000年頃という、大昔にデザインされました!すごい!

別名、フォント「トレイジャン(Trajan)」は、ローマ大好き歴史人の方はもちろん、画好きの方やお洒落なライフスタイルな方にも馴染みのあるフォントです。

優雅で伝統と格式を感じさせる様相を持つのが特徴です。さすがローマ、さすがトラヤヌス帝。そしてトレイジャンを作ってくれたAdobeのキャロル・トンブリー(Carol Twombly)さんありがとう。

カッコいいけど読みにくい
―ゴシッククアドラータ―

こちらもフォント大好き人間にはたまらない「ゴシッククアアドラータ」、いわゆる『ブラックレター』です!

みなさんのブラックレターとの巡り合わせは何になりますか?どことなくドイツっぽさを感じるのは偏見でしょうか?
こちらは中世期に用いられ、「紙」が高価であるために、たくさんの文字を記入するため、角ばった文字となったのがこちらの「ゴシック体」です。

「ゴシック」という言葉は、文字の世界以外でも良く聞く単語ですね!
こちらは元々、蔑称なんです!蔑む言葉だったなんて驚きですねっ

中世ルネサンス期に、ルネサンス以前の様式(文字や建築、風俗など)に対して「(ローマを滅ぼした)野蛮で粗野なゴート(人)風」との意味があります。

つまりイタリアの最先端お洒落紳士たちが「お前らまだそんなことやってんの?ダサいわあ。まるでゴートじゃん(笑)」みたいなニュアンスが「ゴシック」です。

彼らルネサンスのファッションリーダーたちが「ダッサッッ(笑)」と笑ったのが語源です。

ローマン体の発展
―読みやすい文字を目指して―

やっぱり読みやすいものが一番!
ゴシック体はお洒落かもしれませんが、もともとは高価で希少な紙の面積に対して、たくさん文字情報を入れるように工夫をしたものです。

そのため手書きの味を残しつつ、容易に資格情報として認識しやすい「ローマン体」が重宝され、発展していくことになります。

ファットフェイス体、エジプシャン体の登場
―目に止まる文字をつくる―

お洒落よりもとにかく認知が大切!
紙は安価に手に入ることになりポスターや宣伝チラシが登場。フォントは「広告」としての機能が求められるようになりました。

そのために太くなった「ファットフェイス体」、さらにもっと太くなった「エジプシャン体」が開発、好まれて流通していくようになりました。
19世紀初頭の商業革命期、電気とガラスと鉄道の時代。劇場のポスターや西部劇の作中で目にするチラシによく出てくるフォントです。

良く見えるように開発された「ファットフェイス体」ですが、“比較して”良く見えやすいのであって、ポスター全部を派手派手に装飾しても結果として何が伝えたいのかよくわからなくなりました。余白をつくらずに文字情報を入れ込み過ぎると返って逆効果です。

ビクトリア期のイギリスでは、紙面に文字ぎっしり、文字装飾をこれでもかと入れるものが流行っていました。当時を偲ばせるいかにもなデザインですが、その時代に氾濫していたため逆に没個性的であったため宣伝効果はいまいち。

サンセリフ体の発明
―シンプルが勝る―

やっぱりシンプルがいちばん!
セリフ体というのは、文字に装飾がついたものです。ローマン体もセリフ体のひとつであり、視認性を高め格式高さを印象付けます。

それらの装飾を省いたものが、サンセリフ体です。文字単体の視認性はセリフ体より劣りますが、文字は多くの単語つくり文章へと紡ぐ「言葉」が主たる利用であって、文字単体で利用することは稀です。そのため逆説的に装飾などの過分な情報を省いたサンセリフ体が「読みやすい」ことが認識されるようになり、19世紀後半からその社会的地位を高めていくことになりました。今の「ゴシック体」は、サンセリフ体として用いられることがほとんどです。

フォントは歴史の連なりをもったイメージ表現の方法

日本には古来より「言霊」よび、言葉そのものに呪術的霊力が宿ると信じています。
これは何も難しい話ではなく、同じ言葉であっても伝え方によって相手の印象やその効果が変わる……そう言い換えをすればぐっと身近になるのではないでしょうか。私たちBörteも気をつけねかれば・・

それと同じく、有史以来のひとの歴史の長さは、文字の歴史、フォントの歴史と言ってしまっても過言ではありません。
文字そのものが情報を伝達する媒介であるとするならば、フォントは人間の感情や表現を繋ぐものと言えるでしょう。
昨今、コミュニケーション能力の重要さが声高に聞こえる社会です、ぜひフォントをうまく活用してつつがなきコミュニケーションを果たしてください!

2000 1125 Miu Nolan

Miu Nolan

Hi! I'm Irish/Japanese Writer, Copy Writer, Designer, working in Odo's Börte Design :)

All stories by : Miu Nolan

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